チューナーあれこれ


                                                              
小熊 貫昭


正確な三味線の調弦には、チューナーが必需品だとことある毎に言っていますが、そのチューナーには沢山の種類があります。
一昔前は大きなものしかなかったのですが、最近はコンパクト高性能な物がいろいろと発売されています。
私が今まで使ったチューナーを紹介して、使用した感想や長所短所を書いてみたいと思います。



まず第1号機。
今から10年ほど前に買って、結構長い間使っていたチューナーです。

 
 BOSS TU−15

 
 KORG コンタクトマイク

最近のチューナーから比べるとちょっと大きいのですが、メーターも見やすくてずいぶん重宝しました。
ゼロインすると、「ピッ」という電子音がするので、「よし、合ったぞ!」という気分になります。
内蔵マイクはありますが、騒々しいところではコンタクトマイクを天神に付けて使用しないと誤反応します。
このコンタクトマイクが永年使っているうち、プラグやマイクの付け根でコードの断線や接触不良を起こす確率が高いです。
最近は後術の小さなチューナーに主役の座を奪われて、ほとんど出番がありません。
何年か前の全国大会の団体の部で、このチューナーでピッタリに調弦を合わせて演奏したことがありますが、7人全員が全くうなりのない三味線の音で鳥肌が立ちました。その時は私が調弦係でした。



2号機です。
KORGから邦楽器用のチューナーが発売されましたが、かえって使いにくいという話を聞いて、同じくKORGの単純なギター用のチューナーを買い求めました。

 
 本体

 
 太鼓の上でチューニング中

軽いし安価だし、ずっと重宝しています。
クリップ式の小さいチューナーも良いのですが音が出ないし、その点これは音も出るので良いです。
しかしやはり騒々しいところでは1号機同様コンタクトマイクが必要です。
それでも上の画像のように、太鼓の部分に乗せて使うと、多少騒々しいところでも反応してくれます。
酷使しすぎたからでしょうか、液晶がパーになったのが1台ありましたが、安価なので気になりません。
練習の時には、このチューナーをオンにして、目の前に置いて弾きます。
調弦の変化がわかるので良いですよ。
電池も結構長持ちします。

邦楽器屋さんですすめられて買ったけど、使い勝手が悪くて・・・と評判の和楽器チューナーはこちら。
欲張って多機能にするよりも、シンプルな方が良いと思うのは私だけでしょうか。
YAMAHAからも同様の和楽器用のチューナーが発売されています。

 
 KORG WT−305



続いて3号機です。
SEIKOの製品です。

 
 SEIKO STX1

もともとは管楽器などのチューニングに使うのに作られているようです。
前モデルはクリップの自由度が少なくて使いにくかったので、トロンボーンを吹いている友人の娘さんにプレゼントしました。これはクリップの自由度が改善された後期モデルです。
コンパクトで見やすいのですが、内蔵マイクも振動センサーもいまいち三味線用としては感度が低いようで、反応しないことがあります。
これはあまり出番がありませんでした。



4号機です。
3号機と同じくSEIKOの製品です。

 
 SEIKO STMX1

テレビ番組で、上妻宏光さんがこのチューナーを使っているのを見て、ネットで捜して購入しました。
コンパクトで見やすくて、メトロノームも付いているので何かと便利です。音も出ます。
ただ、非常にクリチカルでぴったりゼロインするのはなかなか大変です。
このくらいしっかりチューニングしないと本当はいけないのでしょうが、慣れないとかえって使いにくいかもしれません。
三味線では、内蔵マイクではなく常に振動センサー(機種によって、CLIP、またはPIEZOと表示されます)にして使います。
天神に付ける場合が多いですが、下棹の胴よりに付けるとお客さんからは見えなくなるので、ステージではこちらのほうが良いかもしれません。
ステージ上でチューニングするには大変便利なチューナーです。



5号機です。
KORGの製品です。

 
 KORG AW−2

同門の先輩が全国大会で使っているのを見て購入。
このチューナーは便利で最近では2号機とともに三味線ケースの常備品になっています。
ゼロインはブロードでもないしクリチカルでもないし、ちょうど使いやすい感じです。
振動センサーの感度も良くて、ごく小さい音でも反応するので、ステージで使うのにもピッタリです。
大会では出番直前までこのチューナーを使ってごく小さい音でチューニングの確認をして、出番になるとポケットにしまってステージに向かいます。
欲を言えば角度によって液晶画面が見にくいことがありますが、気を付ければ特に問題ありません。



6号機です。
cherubというメーカーの製品です。

 
 CHERUB WST−35

以前どこかの大会で使っている人がいて、見やすいLCD液晶だったのを覚えていて、ネットでさがしてみました。
外国製品を国内の会社が輸入して販売しているようです。
性能は問題ありませんし、LCD液晶も大変見やすくて良いのですが、クリップの自由度が無くて三味線には使いにくいです。
これでクリップの自由度があれば、5号機に変わって常備品にするかもしれませんが、今のところあまり出番はありません。
お稽古の時に目の前の譜面台に付けておいて、音程の確認に使うと便利です。



7号機です。
これも6号機と同じくcherubというメーカーの製品です。

 
 CHERUB WST−623

  
 ゼロインすると液晶の色が変わります。

6号機をネットで検索していて発見しました。
こちらはモリダイラ楽器が輸入しているようです。
形の好き嫌いはとにかく、振動センサーの感度も液晶の見やすさも、クリップの自由度も問題ありません。ゼロインすると上の画像のように液晶の色がオレンジからグリーンに変わります。
目の悪い人でも、液晶の色で判断できるので、私のように老眼が始まった人でも遠目で楽勝にチューニングが確認できます。
ただ私的にはゼロインがちょっとブロードかなと思いますが、アマチュアならこれで十分です。
クリップは棹にも付けることができるので、4号機同様に下棹の胴寄りに付けると良いかもしれません。

 
 下棹につけた画像



今までに使ってみたチューナーは以上です。
耳に自信のある人が、調子笛で合わせてこれで絶対大丈夫と思っても、チューナーで確認すると結構ずれているものです。

そうそう、ちなみに調子笛は正確かどうかチューナーでチェックしてみると結構バラツキがありました。
同門の先輩は、毎年1個ずつ調子笛を購入して舞台用に使い、古い物は練習用におろすと言っておられました。確かに古い調子笛ほど音程にバラツキがあるようです。

「三味線の調弦に関する一考察」も合わせて読んでいただき、参考にしていただければ幸いです。




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